高校卒業して、すぐ東京へ行った。受験に失敗して予備校へ行ったのも最初だけ、
いつもブラブラしていた。
東横線の等々力に「ごんべ」という古時計のある行きつけの喫茶があって、
暇があるといつもそこに居た。
陽水の「氷の世界」やロバータ・フラックの「やさしく歌って」をLPで聞いたころ。
となり町の東工大前にあった「ミュスカ」のことをよく覚えている。
クラシック音楽と朝の閑散とした空気に。あの独特の珈琲と煙草のよどんだ匂い。
朝は牛乳配達して、2階の四畳半の陽当たりのいいアパートに下宿していた。
国産のパイオニアのコンポーネントをバイトで買って、アキバで買ったスピーカーユニットでスピーカーを作って鳴らした。その小さなスピーカーは、工作苦手な僕の唯一カタチになったもの。
FMラジオからエアチックして、気にいったものはLPを買って聞いていた。
エルトン・ジョンに夢中になって新譜LPを逃さず買った。どこの小さな町にもレコード店があった。
グッバイ・イエロー・ブリック・ロード / エルトン・ジョン
JBL4343
2006年、冬
JBLのスピーカーコードを外した。