叔母の家の玄関に、壺が並んでいた。
蔵にころがっていたおちょぼ口のある瓶と古小代と、
左から二番目にある淡いグリーンの壺。
その壺、伯父の話が面白かった。
なんでもその壺は、海に沈んでいたもので
江戸時代らしいのです。
どうして壺が伯父のところにあるかより、
こうして何気なく無傷であることが不思議でならない。
ひょっとしたら、その壺は出島へやって来る途中に、
船に積まれていて、嵐に襲われたのか、
ほんとに海賊に襲われて沈んでしまったのかもしれない。
200年もの前の壺が、
いい風合いで味わい深い。
いただけませんか?
ダメよ!!
とあっさり叔母に断れてしまった。
残念。